ここでは私が持っている本の中でおすすめのものを紹介していきます. と言っても, すごく偏った紹介になると思います. ごめんなさい.
記念すべき第1冊目はこちらです.
大学への数学(研文書院)
東京出版にも「大学への数学」があります. こちらはまた別の機会に. ここでは研文書院の大学への数学の紹介です.
東京出版のものとは区別して黒大数と呼ばれることがあるようです. 残念ながら, 発行元の研文書院は2013年8月末に廃業をしてしまって現在では入所困難となってしましました. (だったらなぜ紹介を…)
この参考書の歴史は古く私が持っているものでは1974年が初版のものがあります. 何度か改訂を繰り返し, 2003年に改定したのが最後なんじゃないかと思います. 私の知っている限りでは,
- 大学への数学I, IIB, III(1974年~)
- 大学への数学I, 代数・幾何, 基礎解析, 微分・積分, 確率・統計(1983年~)
- 大学への数学I&A, II&B, III&C(1996年~)
- 大学への数学I&A, II&B, III&C(2003年~)




と改定しているようです.
1~3まではハードカバーで、4はソフトカバーで出版されていました. 上のリンクは
4.大学への数学I&A、II&B、III&C(2003年~)
のものです. 執筆時点では大学への数学Iは180円, Aは172円で手に入ります. 信じられません. この間,
「大学への新数学」「大学へのニューアプローチ」「大学への上級問題集」

などもシリーズとして出版されています.
上級問題集などは本当に上級でこの問題集は当時の学生(1980年代後半)が解けたかと思うと驚きです. 執筆時点では27980円の値段がついていますね. この値段ではよっぽどのことがないと手が出せません. 持っていてたまに解いてますが, 手応えがあります.
その間著者は中田義元先生・根岸世雄先生・藤田宏先生から藤田宏先生・長岡亮介先生・長岡恭史先生・木部陽一先生・柴山達治先生へと変わっています.
中田先生・根岸先生は駿台予備学校の先生, 藤田先生は東京大学名誉教授です.大学への数学がなくなった後, 長岡先生(放送大学教授)は他の参考書(本質の研究, 総合的研究など)も書いています. こちらの紹介はまた今度にしたいと思います.


木部先生・柴山先生は開成高等学校の先生です.
私は見たことはありませんが, 大学への数学にも前身が存在しており
東大への解析I・II
という名前で出版されていたと, 大学への数学のはしがきに書いてありました. 一度でいいから見てみたいものです.
大学への数学の内容は一言で言うと数学を教えている人間からするとほれぼれします. 厳密的で一切の妥協を許していません. また, 問題の質・レベルとも高くこの本がちゃんと勉強できればずいぶん実力がつくと思います. ただ, 初学者にとっては難しく厳しいのものがあるかもしれません. (実は私も学生時代に手を出していましたが, どこまで理解できていたのかわかりません. )
大学への数学も時代が変わるにつれてずいぶん内容がマイルドになってきました. 難しすぎるのか
大学へのニューアプローチI, A, II, B, III・C(1994年~)

という学生に配慮した形の姉妹書を出版されているときもありました.
ただ個人的には1で出版された本が内容・活字の雰囲気を含め一番好きでした.内容自体は1~3までは同じ問題を扱っているものもあれば差し替えらたものもあります. 4になってから雰囲気が一気に変わった印象で, もったいない気がしています.
わかりやすい参考書が好まれており, ハードカバーで初学者を一切受け付けない感じは好まれないのかもしれません. 真っ黒な表紙で威圧感は抜群ですが, 非常にわかりやすいです. 自分で理解できるまでしっかり考えることができる, またそれにちゃんと応えてくれる本だと思っています. 本当にもったいない.
またいつかどこかで復刻されたら喜んで買おうかと思います. (もうすでに大学への数学は持ってますが, 多分また買います. )
2014年に森北出版から秋山仁先生の発見的教授法シリーズが復刻しました. 大学への数学もこういうことが起こるんじゃないかと期待しています.


余談ですが「発見的教授法シリーズ」も1980年代後半に駿台文庫から出ていましたからね. 本当に驚きです.
古本屋などで見つけた際はぜひ手に取って見てみてください.
コメント