ずっとWindowsでTeXを使っていましたが, Macに買い換えるにあたりTeXもインストールしなおしました. ここでは, TeXをインストールしたときの備忘録をまとめておきます.
どちらかというと高校数学で扱う記号やグラフなどをTeXで扱いやすくしたemathのインストールとTeXShopでそれを扱うための方法がメインの内容になっています.
インストール環境は,
- iMac (Retina 5K, 27-inch, 2019)
- macOS Mojave
でした.
TeXのインストール
時代は変わったなと実感しました. TeXのインストールが驚くほど簡単でした. というのも, 奥村先生のLaTeX2e美文書作成入門のDVD-ROMを使ってインストールしました.
私が初めてこの書籍を買ったときは改訂版でした. もう第7版になっていてびっくりしました. 本当に売れているんですね. 確かにすごくわかりやすい.

正確には電子書籍を購入していましたので, 技術評論社のサポートページから, isoイメージをダウンロードしてインストールしました. 一応リンクは貼っていますが, 当然本を購入していないとイメージファイルはダウンロードできません.
ただ, インターネット経由でISOイメージをダウンロードした場合, Sierra以降OSのセキュリティ機能によりダウンロードしたファイルをそのまま使用できません.ターミナルを開いて, xattr -cで拡張属性を消去してからマウントする必要があります.
ターミナルを開いてダウンロードしたファイルのあるディレクトリまで移動します. ターミナルでディレクトリは,
cd ファイルパス
で移動することができます. 移動先で
xattr -c Gihyo_bibun7dvd2.*
と入力してからisoイメージを用いてTeX Liveをインストールします.

このとき一緒にTeXShopとTeXworksもインストールされます. 個人的にはTeXShopのほうが好きで愛用しています.
かなり昔, WindowsではWinShellとというソフトを使っていましたが, エンコーデイングがshiftJISの場合に文字化けの問題があったりと不具合が解消できてないので使われなくなりました. 以下は奥村先生のページの参考サイトです.
本当に便利. ただ, TeXはいざというときには,
手動でインストールするくらいの知識がないとトラブルに対応できない
ような気もします.それにしても,
インストールパッケージを使ってとまることなんてあるの?
と思われそうですが, あるんです. TeX自体のインストールはすんなりいったのですが,
emathのインストールでてこずりました
Windowsユーザーだった私はえらい目に合いました. 以下はemathのインストールがうまくいったときの備忘録です.
これは余談ですが, Windowsの場合, あべのりさんが作成しているTeXインストーラ3が便利です.
今調べて気付いたのですが, あべのりさんは東京大学大学院数理科学研究科の准教授になっていたんですね. 私が初めてこのインストーラを知ったときにはまだ院生だったような気が…
これは気安くあべのりさんなんて呼べません. 阿部先生のTeXインストーラ3がとても便利です.
emathのインストール
emathとは, 初等数学(高等学校,中学校,小学校で取り扱う数学)のプリントをTeXで作成する際に便利なマクロ集です. このemahの紹介もいつか書きたいと思います. 本業のプリント作成の際には手放せないもので, かれこれ10年以上は使わせていただいております. 作者の大熊さんには感謝してもしきれません.
emathのインストールは上記のサイトから必要なものをダウンロードし, ファイルを指定の位置におきます. その後, pathを通せばおしまいなのですが, Mac初心者の私はファイル構造がまったくわからず苦労しました.
結論から言うと, emathのスタイルファイルは,
/Applications/TeXLive/Library/texlive/2017/texmf-dist/tex/platex/misc
に置きます. ファイルが存在しない場合は作成します.
この他にも本家のサイトでは説明用PDFなどを置くように指定されていますが, 私は置いていません. いざというときに見られるようにGoogleDriveやEvernoteに入れています.
あとでまとめてでもよいのですが, 心配ならば, ターミナルで
sudo mktexlsr
を実行します. これはスタイルファイルなどがどこにあるか記録しておくためのコマンドのはずですので, emathの動作確認をしない場合はあとで実行してください. 上のコマンドを実行後, emathを含んだTeXファイルが動くか確認します.
動いた場合, 次はPerlとの連携です.
Perlとの連携
PerlはもともとMacに入っていますが, バージョンが古ければアップデートしておきます.
emathのサイトでダウンロードしたperlと連携するための補助ファイルemath.pl, degsine.pl, nCr.pl,BignCr.plは,
/Library/Perl/5.18
に置きます. ここでも,
sudo mktexlsr
実行しておきます. texファイルをコンパイルする際にperlをはしらせるためには-shell-escapeをつける必要があります. 以下では,
TeX Shopでplatex -shell-escapeを実行する設定方法
です.
TeXShopの設定
TeXShop→環境設定→内部設定を開き, TeX+dvipdfm/TeX+dvips+distillerのところをTeX, LaTeXともに
ptex2pdf -l -ot –shell-escape “-synctex=1 -file-line-error”
に書き換えます.


2020/06/09
TeXの話とはまったく関係ありませんが, 上の画像はChromで表示するとサムネイルサイズになってしまいます. Safariではその現象は確認できませんでした.
原因がわからず, Chromでは小さいままの表示になっています. ごめんなさい. 誰か知っている方がいたら対処方法を教えいただけると嬉しいです.
WordPressのresponsiveというテーマでも同じ現象があるようです. これは解決方法があるようです. 同じ方法で試してみましたが, 直りませんでした. このような現象は初めてでお手上げです. うーん.
https://estuarine.jp/2013/05/chrome-shrunk-image/

2020/06/13追記
解決しました!
https://questict.net/blog006/
これで, コンパイルしてみると, ちゃんとperlとの連携されます.
今回の記事は忘れないうちに, 自分の備忘録として書いたものなのでかなりわかりにくいものになってしまいました. また時間があるときにわかりやすくリライトしていきます.
ただ仕事も忙しいのでいつになるやら…画像もなんだか小さいし.
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